妻になんて言おう。
最初によぎったのはそんな想いだった。
三村修治。職業、バラエティ番組の放送作家。数多くのレギュラーを抱え、このところ忙し過ぎるとは思っていた。
感じた異変。検査を受けて下されたのは驚くべき診断だった。すい臓がん。しかも末期。余命6か月。1日でも長く延命し家族と静かに過ごす。それこそが正しい最期の過ごし方。
だが。どうも面白くない。
今までずっと世の中の色々なことを好奇心で『楽しい』に変えてきた。そんな想いから、あれこれ企画を練り始める。家族に残せる『最後の企画』。
現在、妻・彩子は専業主婦。まだ小学生の息子、陽一郎を抱え苦労するだろう。そして気丈そうに見えてもろいところがある。何とかして笑顔にしてあげられないか?
見かけたのは結婚相談所の看板。そうだ―修治は思いつく。

「妻の結婚相手を探そう!」
 
そんなひらめきを胸に修治は突っ走る。
まずは婚活市場を勉強。同僚の手を借りてお見合いパーティーに潜入。 更に元・仕事仲間で現在・結婚相談所の社長、知多かおりになんとか協力を取り付けて、妻にとって最高の結婚相手を探し出してもらう。
『婚活』を続けているとやがて現れる、奇跡のような相手、伊東正蔵。インテリア販売会社社長。真面目で誠実、加えて独身。
まさに命を懸けた一世一代のプレゼンテーション、そして迎える最高のエンディングとは?